- 業界知識
- 社内ルール
- 人間関係のリセット
業界知識
- 自社サービスや競合他社の知識
- 顧客属性
- 商習慣
これは異業種への転職に限った話になるのですが、各業界には特有のルールや顧客属性による商習慣やITリテラシーなどさまざまな変化に対応する必要があります。顧客属性が大手から中小零細企業への変化や業界の変化による商習慣の違いは想像よりもきっと大きいと思います。
自社サービスの知識や競合他社の情報などはもちろんなのですが、どちらかというと経験上、商習慣や顧客属性の違いで戸惑ったケースが多かったので、転職前に転職希望先の顧客属性や商習慣なども含めて情報収集したほうがいいと思います。
たとえば提供したサービスの対価である売掛金の回収だけでも大きな違いがでてきます。大手だけを相手に営業をしてきたとして転職先の営業先が零細企業だったとします。いままでであれば請求書さえ送っていれば期日までに入金されることが当たり前だったと思うのですが、零細企業では入金の遅延などは割と日常茶飯事ですし、与信によってはせっかく受注してきたのに売掛金回収が困難な可能性があるとして前入金を求めたり、場合によってはこちらから営業をかけておきながらお断りするようなケースもあります。
つまり、入金確認ができるまできっちりと営業が追いかける必要がでてきます。当たり前と言えば当たり前の話なのですが、これが割と面倒くさいです。請求書の入金期日が過ぎると営業が顧客へ入金の催促をしなければいけません。入金の催促はする側もされる側も当然いい気持にはならないので、あまりやりたくない仕事です。
これが1度できっちりと支払ってくれればいいのですが、なかなかそうもいきません。「今日中に払います」と言いながら翌日以降も入金されないなんて言うこともざらです。
「約束は守ってよ」となるのですが、ひどい顧客になってくると「いま振り込みました」と言いながら振込されていないなんてこともあるくらいです。しかも、その嘘は入金確認をすればすぐにばれるのにです。ぼくも経験があるのですが、取引先相手に嘘をつくという発想がその当時はなかったので、非常に困惑しました。
他にもITリテラシーが低い業界ではメールを見ないし、チャットツールもないのでFAXで資料がほしいなども実際にまだ存在します。
待遇や自社サービスが好きで入ったけど、商習慣や顧客属性でこんなはずじゃなかったということにならないようできるかぎり入社前に情報収集しておくことが理想ですが、それでも異業種への転職では戸惑うことも多いと思います。
社内ルール
- キーマン
- 業務フロー
- 使用ツール
営業に限らずですが、顧客は社外だけとは限りません。社内にも顧客と同等以上にケアをする必要があります。
たとえば、お金周りはこの人に相談すると話が早い、技術周りはこの人、カスタマーサポートはこの人など、必ずキーマンが存在するので、いち早くキーマンを探し出して協力者になってもらえるかが転職先で成果を出すスピードに直結してきます。
社内政治というといいイメージがないですが、これも成果を出すための仕事と割り切って早めに手を付けたほうがいいです。キーマンに媚びへつらう必要はなくて仕事をスムーズに進めるために信頼関係を築くことが大切です。
あくまでぼく個人の意見ですが、媚びて腰ぎんちゃくになることだけを社内政治というなら、そんなものはする必要がないですし、そうしないと評価されない会社には未来はないのでさっさと転職したほうがいいとさえ思います。
他にも決裁や稟議フロー、使用するツールなど転職前の会社とまったく同じということはあり得ません。出張の稟議1つでも前職では1週間前までに稟議を出せばよかったものが転職先では2週間前までなど当然ルールが違います。
また、使用するツールも前職ではSlackだったのに転職先ではチャットワークだったり、慣れないツールでの戸惑いも大きいです。できればこちらは面接時に確認して入社までにツールになれる努力をしておいたほうが入社後スムーズに業務が進みます。
人間関係のリセット
- 転職先ではただの新人
- 出し惜しみせずに成果は最速で出す
最後に人間関係のリセットがあるのですが、ここが転職が成功するか失敗するかを大きく左右するポイントだと思います。
前職では先輩であり、上司であり、実績も評価されていたことでしょう。
いったんすべて忘れてください。たとえ役職者で入社しようが拠点の責任者で入社しようが転職先ではただの新人です。
役職が高ければ高いほど転職先の目は厳しいものになります。特にあなたの部下になることになる先輩たちからはあなたが本当に力があるのか、どんな人なのか品定めがされることになります。
ここで肝心なことは入社から最速で成果を出すことです。出し惜しみは厳禁です。ぼくは転職を決める前に転職先に「無給でいいので数日働かせてくれ」とオーダーを出して、全力で仕事をしてみなさんに認められることを最重要視しています。また、社内の雰囲気や一緒に仕事をするみなさんと少しでも「合わない」と感じた場合はオファーをお断りすることにしています。
「この人は仕事ができる」「信頼できそう」という期待を感じてもらえるかどうかが転職後に仕事がしやすくなるか苦労するかの分かれ目だと思います。
一度ついてしまったレッテルは簡単には剝がれません。「この人は仕事ができない」というレッテル貼られてしまうと挽回することは非常に困難です。逆に「凄そう」と感じてもらえると協力者も現れますし、その後何度かつまずいてしまっても「こんなことあるよね」と期待感を持って接してもらえることができます。
「業界知識」「社内ルール」「人間関係のリセット」と3つの苦労するポイントをお伝えしてきましたが、どれが一番大切かと聞かれると「人間関係のリセット」が一番大切だと断言できます。
いち早く転職先のみなさんと信頼関係が築けると仕事を進めることが本当に楽になります。そして、何より仕事をしていて楽しくなります。転職時にはどんな役職で入ることになろうとも「自分は新人で外様」と自覚して最速で成果を出すことに集中して転職先のみなさんとの信頼関係を築くことに集中することが大切だと思っています。
今日もありがとうございました。
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