転職初日に面食らった話

仕事
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いまぼく
いまぼく

こんにちは。いまぼくです。

かこぼく
かこぼく

こんにちは。かこぼくです。

ようやくブラック企業から脱出したわけやけど、次は大丈夫やったん?

いまぼく
いまぼく

大丈夫かどうかだけでいうと大丈夫じゃなかったかな。

ただ、これは企業の問題だけじゃなくてぼくの問題でもあったから、一方的にブラック企業と決めつけるのも違うかなと思います。

それでは転職初日に面食らった話編です。よろしくお願いします。

なんにもなかった

入社初日の朝に意気揚々と新会社へ向かい、朝礼で自己紹介も無事に終わりました。さて、仕事と思いデスクに案内されたわけですが、なにも指示されることもなく放置状態。

この会社は他にも食品卸や携帯電話販売の事業もやっており、営業特化型のブラック企業とは雰囲気が全然違い、どこか牧歌的な雰囲気の会社でした。

まぁ、こんなもんかと周りの人に話しかけてみて驚愕の事実が判明します。

ホームページの更新ソフトがまだ完成していない。

これだけ聞くとそこまで深刻な問題ではないと聞こえるかもしれませんが、はっきり言って絶望です。なぜなら、ぼくが前職で経験していたホームページの営業は基本的には更新ソフトにリースをかけることにより初期費用なし、月々2万円から3万円の支払いでホームページが持てることを売りにする営業でした。

更新ソフトがないということはリースは組めません。一括で100万円とか200万円もの大金を回収する必要がでてくるのです。そんな大金を即決で契約する個人商店なんて皆無です。そもそも、前職で使用した営業のトークスクリプトが一切使えないことを意味するのです。

トークスクリプトを1から作る実力なんてありませんでした。いかに前職の営業特化型ブラック企業が作った仕組みが優秀だったのか、ぼく個人の実力ではなく会社の仕組みで売らせていただいていたのかを痛感しました。

大企業のブランドだけではなく、こういう売れる仕組みというのは会社に所属しているからこそ得られる特権です。会社から離れると痛感します。個人としての価値などなかったのです。

これはまずいと先輩に確認すると「更新ソフトは来月には完成するから営業かけて」と、しかしエンジニア(のちにエンジニア未経験者が手探りで作っていることが発覚)に確認すると「まぁ軽く半年はかかります。完成するかもわかりません」と。

出典:賭博黙示録カイジ

なにかおかしい。

違和感を感じながらも転職してしまったからには頑張るしかないと売る方法を必死に考えます。今まで使用していた営業のトークスクリプトは使えないことは間違いない。じゃあ、どうするか。

そんなことを考えていると先輩が「リース使えるようになったから」

そんなことあるのか?リースをかける商品がないのに?

詳しく話を聞くと開発中の更新ソフト(要は未完成で動かないただのCD-ROM)をリース会社に持ち込んで強引に契約をしてきてしまったのです。しかも、リース会社も開発中のソフトで動かないことを把握していると。リース会社も把握しているという事実の真偽はわかりませんが、とにかくリース契約書が手元に届きました。

その当時使用していたリース会社は別会社に吸収され消滅してしまいましたが、そこまでしないといけないくらいリース会社も売上を作り利益を出すことに必死だったのかもしれません。

とにもかくにもリース契約できることは営業をする上で大きなポイントでしたので、もやもやしながらもこれで営業ができると少し安心した自分がいました。

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これはあかんと悟り2回目の転職活動へ

そんなこともあり入社から4日目に待望の初受注ができました。帰社をすると先輩だけが盛大に喜んで迎えてくれました。ほかに人は誰も声をかけてこないどころか目線も合わせてきませんでした。

あれっ、こんなものかな。この違和感は翌日に理解できることになります。

翌日無事にリース会社の与信も可決(リース契約は契約者と事業会社、そしてリース会社の3社間契約となり、正式に契約が締結されるのはリース会社が契約者に支払い能力があると認めた場合のみ契約が有効となります)となり、いよいよホームページを作成するための取材などをデザイナーと打ち合わせをしようかと思っていると、エンジニアの方が「誰が作るんですか」とぼそっと一言。

嫌な予感がしたぼくはさらに別のエンジニアに話を聞くと更新ソフトどころかウェブデザイナーもいないことが発覚した。

出典:賭博黙示録カイジ

これはダメ。完全にアウツ。

更新ソフトが未完成どころの話ではありません。そもそもホームページを作成するウェブデザイナーすらいないのです。

そのことを先輩に確認をすると「更新ソフトを納品してリース会社の検収までもっていこう。そしたら売上は立つから」と予想外の一言が発せられます。

ざっくりと説明すると「リースの対象物件はホームページではなく更新ソフトなのでホームページができていなくても支払いをしてくれる。先に更新ソフトを客先に置いてきてリース会社から顧客に商品が納品されたと認めさせればリース会社からうちに入金されるから問題ないでしょ」というものです。

いやいや、問題しかありません。ホームページが完成するめどなんてないんですから。

誰がホームページを作るのかと先輩に確認すると、エンジニアにホームページを作成させるということでしたが、エンジニアに確認するとホームページなんか作ったことないからデザインとかわからないですと。

さすがにこれはやりすぎだと思い、ホームページ作成を発注してくれた顧客にキャンセルするように電話をして、そのままぼくは退職を決意しました。

こうしてぼくは2回目の転職活動へと進んでいきます。今回の反省を踏まえて人材紹介会社への登録や独自に企業情報を集めるなど、できる限りのことはしました。

会社に事業をする上での準備がなさすぎたことが直接的な要因でしたが、ぼくもちゃんと会社の状況などを確認せずに入社したことは大変甘かったと反省しました。やはり逃げの転職は現状から抜け出すことに優先順位を上げがちなので冷静な判断ができなくなるというお手本のような失敗でした。

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