- 営業職だけが数字目標を背負わされてきついという思い込み
- 社外との関り
- 結局、営業職以外も営業スキルが大切
営業職だけが数字目標を背負わされてきついという思い込み
営業というと毎月目標という名のノルマを背負わされて大変というイメージがあるかもしれません。間違いではないですが、正解でもないというのが答えになります。
たしかに営業職は必ず数字目標を背負います。毎月、四半期、年間ごとに目標があり達成率や売上など明確に数字として表れてくるためプレッシャーは大きいです。進捗が悪いと理由を求められますし、改善案も求められます。ぼくも進捗が悪い時期の営業MTGは本当に参加したくないですし、ひどいときは前日から体調が悪くなることもありました。
しかし、少し待ってください。数字を背負うのは営業職だけでしょうか。
例えば人事であれば年間の採用計画があります。エンジニアでも機能開発で納期があり、開発した機能のパフォーマンスが求められますし、エンジニアとしてのスキルアップが求められます。営業事務でも各工程に必要な工数の目安があり、常に効率化が求められます。
営業職に限らず、すべての職種に目標やスキルアップが求められているのです。
プレッシャーの大きさには職種により差は存在しますが、どちらかというと職種の差というよりは役職による差のほうが大きいように思います。営業職の一般職よりも人事やエンジニアの管理職のほうが数字のプレッシャーはきついですし、ぼくもCS(カスタマーサポート)職で管理職についたことがありますが、顧客満足度の向上に寄与する数字目標のほうが営業職の数字目標よりもきついと感じました。
感じ方は人それぞれだとは思いますが、結論として営業職だけが数字目標を背負うことになるからしんどいという思い込みは間違いで、どの職種でも間違いなく数字目標は存在するということです。
社外との関りが多い
営業職ほど社外の関係者との関りが多い部署は存在しないです。これは営業職の特権だとぼくは思っていて、営業職をおすすめする理由でもあります。
ぼくは10回転職をしていますが、3回目以降の転職はすべて営業職を通じて知り合った社外の方からのご紹介やお声がけで転職をしています。
別の記事でも改めてお伝えしようと思いますが、転職を重ねるごとに求人媒体や人材紹介経由での転職活動が非常に厳しいものとなります。なぜなら転職回数が多いと書類選考時点でお祈りメール(不採用通知)が届くケースがほとんどだからです。
ぼくは3回目の転職活動において転職回数が多いことによる不利を嫌というほど味わいました。2回目までの転職活動が順調そのものだったことから3回目の転職も簡単に決まると楽観的に考えていたのですが、それは大きな間違いでした。
20社ほど書類選考に応募しましたが、1社を除いてすべてお祈りメールが届きました。最後には人材紹介の担当者からも「ご紹介先が難しいのでお知り合い経由での転職をおすすめします」と最後通告をされてしまったほどです。人材紹介会社は求職者を求人している会社に紹介して報酬をうけるビジネスモデルなので、求職者は人材紹介会社にとって商品です。求職者を集めるためにさまざまな広告を打って必死に高く売れそうな商品(求職者)を集めているにもかかわらず、ぼくは売れそうにないからと「廃棄処分」されてしまったのです。
売れそうもない商品をいつまでも店頭に置いてがんばって売ってくれるほど人材紹介会社は甘くないです。人材紹介会社からの廃棄処分を受けて、「ぼくはもう通常ルートでの転職はできない」と覚悟を決めました。
また、社外の方と関りをもつことのメリットとして自社のことを客観的にみることができることがあります。どうしても自社だけのコミュニケーションで仕事が完結してしまうと自社特有の仕事の進め方がすべてと思い込んでしまう傾向がありますので、他社との関りを持つことでフラットに判断をすることができたり、転職をした際に転職先での仕事の進め方を柔軟に吸収し、円滑に進めることができるメリットがあると思っています。
ちなみにぼくの独断と偏見ですが、転職で失敗する理由で圧倒的第1位は「前職の仕事の進め方にこだわる」です。なにをしても「前職では~」が口癖の新人にだれが好意をもって接してくれるでしょうか。
もちろん、もっといいやり方があることも事実ですし、転職先で存在感をだすことや付加価値をつけることも大切ですので、転職先で改善を提案することには賛成です。ただし、タイミングや伝え方、提案方法は慎重になりましょうということです。
前職のやり方にこだわる人は転職先の組織になじめずに早期離職を繰り返すことになりますので、早いうちに柔軟性を身に着けるトレーニングをするべきです。そのためには社外の方と積極的に会って、話を聞いて多様性を学ぶことが効果的だと思っています。
少し話がそれてしまいましたが、ぼくは転職はもちろん営業の実績という意味でも社外のつながりに助けられたことが本当に多かったので、社外の方とお会いできる機会の多い営業職として生きてきてよかったと心から思っています。
先日の投稿でも紹介しましたが、社外とのつながりが副業として活きてくることも大きなメリットの1つです。
結局、営業職以外も営業スキルが大切
数値目標だ、社外のつながりだといろいろとお話してきましたが、一番営業職としてスキルが活かされたのは社内営業スキルだったりします。
社内営業スキルというとあまりいい言葉として伝わらないかもしれませんが、営業センスやITスキルなどよりもよほど大切なスキルです。
仕事というのは当たり前ですが、一人で完結する仕事などありません。必ず人間関係があり周囲に助けていただきながら進めていくものです。苦手なことは得意な人のサポートを受ければいいのです。
どんなに高い能力を持っていても、論理的に正しいことを言っていても周囲の助けを受けなければ良い仕事はできません。仕事の規模が大きければ大きいほど影響が大きくなっていきます。
では、周囲に助けてもらいやすい人はどのような人なのでしょうか。「誰にでも明るく挨拶をする人」「困っているときに手を差し伸べてくれる人」「業務改善のアドバイスをくれる人」いろんな人がいると思いますが、結局は「他人が望むことを提供してくれる人」に集約されるとぼくは考えています。
「他人が望むことを感じ取り、積極的に提供できる人」これがぼくの考える社内営業スキルが高い人です。けっしてゴマすりなどのネガティブなスキルではありません。
営業をやっていると理解できると思いますが、営業先は顧客、見込み客ともにもっと本心を伝えてくれることは本当に少ないです。ですので、顧客が何を望んでいるのか、不満に思っているのかを感じ取り解決に導く力がついていきます。結果として他人が望むことを感じ取るスキルが上がっていくのです。
営業をやってきて本当によかったと実感できる営業職のメリットは他人が望むことを感じ取る力がついたことです。
社内外問わず、協力者がいると仕事のやりやすさに圧倒的な差が生じてきます。
なにかやりたい仕事や改善施策があったとして「〇〇がいってるからやろう!」と協力者が集まる人と「それはなんの意味があるのですか?実際にできるのですか?」というような抵抗勢力が多い人では明らかに前者の協力者がいる人のほうが成功率が高いです。
前者になるために社内営業スキルが役立ちますし、社内営業スキルをつけるためには営業職がトレーニングの場としては一番鍛えられると思っています。
仕事で成果を出すためには自分の所属する部署にとどまらず、他部署でも協力者がいる状況を作ることが非常に大切です。これは営業職に限らずどの職種についても同じことが言えます。
もちろん営業職のすべての人が社内的にも円滑な人間関係を築けているとは思っていませんが、トレーニングできる環境としては営業職が一番有利だと確信しています。
以上が、転職をするなら営業職をおすすめする理由でした。少しでも参考になればうれしいです。今日もありがとうございました。
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