- 転職先が決まる前に退職を申し出る
- 給料が安いから転職する
- 上司が嫌いだから転職する
- 転職で失敗しないために
転職先が決まる前に退職を申し出る
ぼくが今までの転職経験でもこれはやっちゃいけないと思った失敗の中で断トツ1位がこれです。なぜ、転職先が決まっていないのに転職を申し出ることが失敗につながるのか。
理由は退職日が迫ってくる中で転職先が決まっていないとお金の問題が発生するからです。
仕事がないということは当然給料が発生しません。そうすると生活費は貯蓄を切り崩して生活することになります。仮に20代1人暮らしの生活費の目安としては18万円程度としましょう。そこに国民健康保険や国民年金、住民税などが発生し毎月25万円程度の支出が発生する計算となります。
25万円が毎月消えていくわけです。しかも、20代ではたいした貯蓄がないことも多いでしょう。このプレッシャーは想像以上で冷静な判断力が低下して、通常では考えられない判断をしてしまう原因となります。
具体的には「どこでもいいから転職したい」となります。
この思考に陥ると簡単に抜け出すことは困難です。信じられないと思いますが、「前職よりも待遇も職場環境もポジションも落としていいから転職先を決めたい」と冷静に考えたらなぜ転職活動を始めたのかわからない意思決定をすることになります。
転職する意味ないよねと。
そして、当然ですがこんなはずじゃなかったとさらに転職を重ねることになります。転がり始めると早いです。転職回数増、早期離職など採用側にとって敬遠したい条件が揃ってきます。悪条件が揃い始めると転職を希望する企業からは書類選考の時点で「お祈りメール」しか届かないようになり、面接すらしてもらえなくなります。書類選考に通らないから意にそぐわない企業に応募するようになる。もともと入りたかった企業じゃないから不満が出て退職するという悪循環の極みです。
心が病んでしまうなどどうしようもない理由もあるとは思いますが、可能な限りはどんなに嫌になってしまった企業でも転職先が決まるまでは退職を申し出ることは控えたほうが無難です。
給料が安いから転職する
待遇は大切な要素の1つで「給料を上げるために転職する」ことは否定しません。むしろ自然だとすら思います。
ただし、1点だけ注意が必要なことが「上がった給料に慣れる」ということはあらかじめ理解しておく必要があります。
仮に現在の年収が400万円だとします。転職により450万円になったとします。いざ転職が決まり、数回給料が振り込まれたタイミングで「もっと給料がほしい」となります。実際に毎月の給料が4万円近く上がったのにです。
一定の水準まで給料が上がると幸福度は給料に比例しないというデータもあります。これを「限界効用」といいます。一般的には800万円を上限に給料が上がっても幸福度は上がらないといわれています。
逆に言うと800万円までは上がるのです。したがって、400万円が450万円になろうと600万円になろうと、800万円までは「もっとほしい」という欲求が付きまとうことになります。
したがって、「給料が安いから転職する」では仮に給料が上がったとしても転職先での満足度は数か月を限度に下がってしまうという現実が待っていることだけは理解して転職する必要があります。
上司が嫌いだから転職する
人間関係は転職理由として上位にランクインするよくある転職理由です。
こちらも心が病むほど嫌な上司の場合は逃げるというのも一つの手段として賛成ですが、ちょっと嫌だな程度なら、転職の理由としては考え直したほうがいいと思います。
理由は単純で人間関係はどこまでも付きまとうもので「みんなに好かれること」も「全員と良好な関係を築くこと」どちらも不可能だからです。
仮に「私はみんなから好かれています!」っていう方がいれば、すみませんがそれは妄想です。もしくは「毒にも薬にもならないどうでもいい人」と思われている可能性が高いです。
特定の誰かが嫌いというだけで転職をする必要がないという根拠は部署移動や昇降格が会社にはあるからです。1年や2年我慢するだけで解決するならどうしてもという状況以外は我慢をしたほうがいいです。
ただし例外的に「社風が合わない」というケースだけは早めに転職をすることをぼくはすすめています。また、人間関係に関しても「社員100名未満の企業で創業社長が合わない」ケースも転職をすすめています。未上場で小規模な会社の創業社長は社風とイコールのケースが多いからです。
「社風が合わない」というのは人間関係とは比べ物にならないくらい不幸なことです。わかりやすい例でいうと「顧客を騙しても自社の利益を最優先」「体育会系のノリが嫌い」「社員旅行など社内行事が多いのが苦手」「社長がすべての会社で社長の腰巾着にならないと給料が上がらない」など、どうしても自分が精神的に受け入れることのできない項目の場合です。
どうしても苦手なことは誰でもあることです。逆に自分が嫌いな社風に合う人がいることも事実です。どちらも否定するつもりはありませんが、どうせなら自分に合う社風で働いたほうがお互いに幸せです。待遇がよくても好きな仕事に就けていたとしても社風が合わない場合は不幸になる可能性が高いと感じています。
転職で失敗しないために
もちろん、給料が安い、上司が嫌い、会社に不満があるなどの理由で転職することは否定しません。特に社風が合わない場合は転職したほうが幸せになるとすら思っています。
しかし、ネガティブな理由しかない人を会社が採用したいは思いません。いくら面接で取り繕っても完全にはごまかしきれないです。
どうせなら、「社風も合うし〇〇ができるからこの会社に転職する」などポジティブな理由で転職できることが理想ですね。
だからこそ、以前にお話をした「転職したくなる前に転職の準備をする」ことが大切になってきます。安易な転職はリスクですが、転職の準備自体にはメリットしかありません。冷静に市場での自分の価値を認識しつつ、価値を高める作業はリスクヘッジに非常に有効です。きっとポジティブで幸せな転職をすることに役立つと思います。転職の準備に早すぎることはありません。ぜひ、経験の棚卸を含めていざという時のための準備を始めてください。
今日もありがとうございました。
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