- 転職しようと思った段階で準備ができている状態にする
- 経験の棚卸
- 履歴書・職務経歴書の準備
- 現職での離職理由と転職先への希望リスト
- 最後に
転職しようと思った段階で準備ができている状態にする
ここが最重要ポイントかつ、ここができていれば基本的に転職自体はそこまで大変ではありません。
「ブラック企業だから転職する」「給料が安いから転職したい」「上司と合わないから仕事を辞めたい」と思ってしまうことは誰でもあると思います。しかし、転職活動の準備はこれからみたいな状態からスタートする転職希望者は非常に多いのですが、これはやめたほうがいいです。圧倒的にスタート時点から出遅れています。
逆に「この仕事をしたいからこの企業に応募する」「この会社の取り組みが面白いから応募する」のような前向きな転職者はその時点で応募できる状態にあるケースが多いように思います。
前者と後者でどちらがいいかといえば当然後者です。後ろ向きな転職がダメというつもりはないのですが、思い立ったが吉日と突発的に転職活動をスタートすることは避けたほうが無難です。
ここからはなぜ転職活動をしようと思った時点で準備ができていることが大切なのかをお話ししたいと思います。
基本的に大切なことはこちらです。
- 経験の棚卸ができていること
- 履歴書・職務経歴書が最新の状態にアップデートされていること
- なぜ転職したいのか、転職先で解決できることなのか具体的になっていること
経験の棚卸
経験の棚卸は次の項目でもある職務経歴書の作成に深く関係してきますが、「自分が何者」で「どのような強み」があるのかを明確にする作業です。
中途採用は基本的に即戦力としてみられるために「この人が入社してくれたら会社にとってプラスになる」と思ってもらう必要があります。特に書類選考時点では人柄や職務経歴書の補足的なアピールなどはできないため、誰が見てもわかるように簡潔に事実を記載する必要があります。
基本的に採用担当者は一言一句目を凝らして応募者の履歴書・職務経歴書を見ることはないと思っておいたほうが無難です。特に人気企業の場合はなおさらです。1名の採用枠に100名応募するなどざらです。そこから1次面接、2次面接と進める必要があるため書類選考では「この人はどのようなパフォーマンスを発揮したのか」を簡潔に見て取れる応募者のみを1次面接へと進めます。
基本的に職務経歴書では一番最初に経歴の概要を記載してそこから各企業でどのようなことで成果を出してきたのかを記載することになると思うのですが、概要で採用担当者の目に留まることが書類選考突破のカギになると信じています。
これは人材会社での営業経験と実際に採用担当者を経験したぼくの経験からそこまで大きくずれていないと思います。
では、どのような経験が目を引くのでしょうか。よく相談される内容としては「特筆すべき経歴がない」などがあるのですが、ここでの経験の棚卸では「新規事業を立ち上げた」ことや「全社MVPを獲得した」など派手な内容である必要はないということです。新規事業だMVPだという経歴は正直採用担当者は見飽きています。「サイバーエージェントで全社MVP獲得しました」であったり、「ソフトバンクで新規事業を立ち上げて100億規模事業を作りました」ぐらいになってくると話は変わってきますが、ベンチャーのMVPや新規事業立ち上げなどは日常茶飯事的に発生するので価値はほとんどないです。実際に何ができるかもよくわかりませんから。
そんなことよりも例えば「テレアポ経験者」であったり、「営業ですけどSQLでデータ分析して営業に活かしてました」のような内容のほうが意外と価値があったりします。
事実、ぼくが転職活動において声をかけられたり、評価される点の1つに「テレアポで圧倒的な結果を出してきた」ことです。嫌がる人が多い「テレアポ」という業務で結果を出してきたことが価値となっているのです。
ぼくは転職市場ではじめて「テレアポ経験者」という価値が高く評価されることを知りました。1社目のブラック企業でテレアポにまみれていた日々がぼくの市場価値を大きくしてくれました。それまではテレアポを1日300件することが営業では普通と思っていたのですが、他社からみると普通ではなかったのです。
このように自分では普通と思っていることが実は大きな価値を持っていることが多いので、周りの友達や先輩などと自分のしている仕事に関して話をしてみると意外な自分の強みを見つけるヒントになるかもしれません。
履歴書・職務経歴書の準備
転職活動をするためには履歴書・職務経歴書は必須なのですが、作成には意外と時間がかかります。特に上記項目でお伝えした経験の棚卸をしていないと実際に職務経歴書を作成するタイミングで躓いてしまいます。
特に転職を急ぎたいばかりに職務経歴書が雑になり、書類選考で「お祈りメール」を連発し、転職活動が長引いてしまう。また、希望する企業からかけ離れた企業への応募もせざるを得なくなるなど本末転倒な結果になりかねません。
しっかりと棚卸した経験を職務経歴書に落とし込んでいく作業が結果として幸せな最短距離の転職活動となります。
1点だけ注意点として「うそ」は記載しないでください。ばれますから。
某内定塾という会社が「内定を取るためならうそをついてもいい」という内容の記事を某新聞社で掲載していましたが、ぼくは絶対に反対です。決してうそをついてはいけません。最近では応募者本人の同意のうえで「リファレンスチェック」を実施する企業も増えています。「リファレンスチェック」というのは前職の上司や同僚などに応募者の仕事ぶりや実績などをヒアリングすることです。
仮に運良くうそがばれずに入社しても「うそがばれるのでは」という不安や誇張された経験に自身の成長が追いついておらず会社、本人ともに苦しむなど不幸な結果になりかねません。
アピールはすべきですが、うそは絶対に記載しないでください。
現職での離職理由と転職先への希望リスト
ここでは、現職でできないが転職先で実現できそうなことを具体的に把握する作業になります。この点が明確になっておらず、転職先でも同じことを繰り返して転職も繰り返すというような不幸な転職者も多いように思います。
転職回数というのは後から取り消すことのできない非常に大切な項目です。事実として20代で転職を3回以上している応募者は無条件で不採用にするというルールを設けている会社もあるぐらいです。どんなに優れた人格者で成果を出してきた転職希望者でもこのルールにひっかかると面接にすら進めずに「お祈りメール」が届いて終わりです。
このようなことにならないように「なぜ自分は転職がしたいのか」そして、「転職理由は転職先で解決できることなのか」この2点だけは不幸な転職にならないようにしっかりと時間をかけて考える時間を設けたほうがいいと思います。
特に「なぜ自分は転職がしたいのか」という理由が明確にならないと転職活動をする上で応募する企業をどの軸で選択したらいいのかという判断ができないため、不幸な転職を繰り返す可能性が高くなります。
しっかりと考えて今の会社で本当に解決できないのかという点も含めて検討したほうがいいと思います。
最後に
転職は基本的に強くおすすめはできないですが、転職の準備自体は今すぐにでもしたほうがいいと自信を持って言えます。
転職の準備というのは経験の棚卸や職務経歴書の作成もそうですが、市場における認知を取るということも大切なことだと思います。市場における認知というと大げさに聞こえますが、TwitterやFacebookなどのSNSで発信をすることも1つだと思います。「自分が何者なのか」を友達やフォロワーに知ってもらっているというアドバンテージは非常に大きいことなのです。
知り合いの会社で営業を募集していると紹介されるかもしれませんし、まったく面識のないリクルーターから面談の申し出があるかもしれません。実際にぼくはTwitterのDMきっかけで転職をしたこともあります。どんなきっかけがあるかわからないのがSNSの面白さなのかもしれません。
最近ではビジネス特化型SNSのLinkedInが盛り上がってきているので登録するのも面白いかもしれません。
元ヤフー執行役員でCMO(チーフモバイルオフィサー)の村上臣氏がLinkedInの日本法人代表を務めているのですが、最近「転職2.0」という本を発売されました。少々過激な煽り文句の表紙ですが、内容は非常にためになる本となっています。表紙は出版社の意向なのでしょうか。
「いくら情報を集めてもあなたの価値は高まらない」「口コミなど間接情報はバイアスがかかっている」など本質的ですぐに活用できる内容が含まれています。
ほかにもキャリア関連含めておすすめの本をまとめて紹介したいと思うのですが、タイムリーな内容の本であり、非常に有益な内容が多く面白かったのでおすすめです。
以上が、はじめて転職活動をするために準備しておいてほしいことでした。少しでも参考になればうれしいです。今日もありがとうございました。
コメント